はじめまして。また、電子タバコです。
あ、いや、どうもはじめまして。今日も今日で電子タバコはじめました。
いやぁ、なんかさ。導入部とか書かなきゃいけない訳じゃ無いとは思うのよ。
すぐ本題行けよ!みたいな、心の圧力もあるし。
でも、文字数稼ぎとか、なんかこうなんでも飾らなきゃいけない?みたいな強迫観念?みたいなのが、他のブログとか見てるとある訳ですよ。
ま、結局自分の心のノリとかそういう部分なんですけれども。
本題に入るまでのノリを作り出したいだけなんですけれどもね。
調子に乗るといけないよね
お酒を覚えたての頃って、どうしたって調子に乗るんですよね。
僕はもう生来の調子ノリ。
後々の事も考えないし、後悔もぜんぜんしません。
とりあえず行動。で、結果を受け入れて泣く。
いや、泣かない。忘れる。ただそれだけ。
まぁ、良いや。それがこんな人生を作ったとか、もう後悔じゃん、これ。
何度も言うようですけど、オオラカな時代に育ったわけです。
国分寺のタバコセンターでは中学生にもゴールデンバットを売ってくれたし、リオって喫茶店は中学生が朝から300円のモーニングセット一つで夕方までスケバン刑事を読んでいても怒らなかったし、吉祥寺のサントリー館やいかり亭は学ラン姿に生ビールサービス券くれるし、歌舞伎町の24時間やってたゲーセンだって700円で朝までゲームし放題でした。
うん、オオラカ。
で、まぁ、そんな時代ですから、当然のように飲むんですね。
覚えたてですから、なんでも良いんです。お酒に拘りとかありません。
酔えればそれだけで大人になった気分なんですよ。
だから赤玉パンチ。だからサントリーレッド。
とにかく飲む。とことん飲む。記憶がなくなり吐くまで飲む。
とある日。
大森駅のすぐそばにあった「シルクハット」
ここは良く通ったお店で、ほの暗い店内の真ん中にクルクル回るステージがあるカラオケパブ。
あ、でた!またカラオケパブ!
テーブル毎にカラオケのリクエストを出して順番来たらステージで歌うカラオケパブ。時代的に超正統派!
おススメ料理は焼きうどんのミートソースと、ちょっとだけ入ってるきゅうりが大根の中に埋もれているパリパリ大根サラダ。
そんな正統派カラオケパブのシルクハットは若者達でいつも大賑わいです。勿論、殆ど未成年です。だから勿論素敵なヤンキーの彼女達に声を掛けてお友達になったりもします。
カラオケ歌ってると逆ナンなんかもされて、髪の毛チリチリで茶色の彼女達と仲良くもなります。
うん、そうなるとですねー、生来の調子ノリの僕は飲むんですねー。飲む。
ある日、それはそれはとても可愛いヤンキー。いや、ヤンキーなんだけど凄く可愛い女の子達と知り合います。
普通、3人居たら2人はアレでしょ?だけど3人とも可愛い。
自然と話もはずみ、お酒も進むんです。サントリーホワイト。レッドよりちょっと良いホワイト、多分、ボトル入れて3000円くらい。
で、調子に乗って飲んでるんで記憶が無くなる訳なんですが、その記憶が無くなる寸前、最後に覚えていた女の子の言葉。
気まぐれオレンジロードに出てきたあの娘に似てる、ちょっと影のアリそうな長い髪のヤンキーと普通の境界線の女の子の言葉。
僕「彼女ほしいなぁ」
女の子「私じゃダメなの?」
ふーむ。こりゃ今思い出しても調子に乗るわー。世界一高いフリーフォールにだって、テキサスいちのロデオの暴れ牛にさえ乗るわー。
そしてそこから全く記憶がありません。
次に少しだけ記憶が回復したのが、地元の溜り場に帰ってきた時です。
丁度、地元で一番怖い先輩が通りかかって、酔って潰れている僕に声を掛けます。
怖い先輩「おい!〇〇!大丈夫か?」
酔いつぶれた僕「あー?てめー誰だよ?」
怖い先輩「なんだてめー!オレは〇〇だぞ?分かってんのか?」
酔いつぶれた僕「は?〇〇?それがどうしたんだ!かかって来いよボケ!」
うん。足も立たないのにかかって来いも無いよね。酷いよね。
まぁ、一応先輩は少しだけ大人なのでからかいがてらだったので、まだ良かったのですが…。
その瞬間…。
ゲロゲロゲロゲロ…。
怖い先輩の大事なジーンズにやらかしました。
でね、蘇らなくても良いのに、なんとそこで記憶が蘇ります。
なんでそこで蘇るかなぁー。と言う一番悲惨なタイミングで蘇ります。
調子に乗った僕への神様のお仕置き。そう、お仕置きタイム。
辺りを見渡すと鬼の形相の先輩と、青い顔した友人数人。
勿論、イカしたヤンキーと普通の娘の境界線上の彼女はいません。
聞けば、べろべろの僕に嫌気がさして伝票を押し付けた後、僕に蹴りを入れて帰ったそうです。そりゃ、帰るわー、僕でも帰る。
で、本当なら天国にいたはずの僕の脳は、何が起きているのか周りを一瞬で把握する為にフル回転し、でもそれすら間に合わず先輩の大きなコブシが飛んでくるのをスローモーションで確認する事になります。
「あ、別の意味でまた記憶が無くなるやつ」
それが僕のそのときの最後の心の言葉でした。
次に記憶が回復した僕の頬は腫れ、胃の中を引っ掻き回されるような二日酔いに苦しんでおりましたとさ。
はい。
その教訓からお酒はほどほどにしておりました。仕事以外で飲む時は。
だから、仕事でヘネシーとかマーテルとかズブロッカとかそういうのを一気飲みする以外はプライベートで殆ど吐くような事はなかったのです。
ところが、電子タバコをはじめて暫くして頼んだ無味のニコリキ。
これがですね、久しぶり、それはもう10年ぶりくらいにプレイベートでの嘔吐を連れて来たのです。
僕が頼んだのはラスタの52mgの無味ニコリキです。
電子タバコをはじめてリアタバを吸う事が極端に減っていたとは言え、それでもやはりリアタバと併用してしまうくらいのニコチン中毒だった僕は、経済的な理由もあってやはりニコチン添加を実行する事にしました。
個人輸入に頼るしかない日本では、注文してから結構な日数を待つ事を余儀なくなれます。その「長い時間待つ」と言う行為がニコリキが届いた時の喜びを普通以上のものにしたのですね。
そう。調子に乗ったのです。
添加の割合も調べてはいたんですが、やはり煙の量が増えるデバイスが出てきていた事もあってか、昔の割合目安ではニコチンがとても強い。
喉や肺と相談し、色々と試しながらもニコチン摂取に調子に乗った僕は、ガンガン吸い続けました。
そして…。ついに…。
ゲロゲロゲロゲロ……。
吐きました。それまでリアルタバコのKOOLを一日に1箱~1箱半吸っていた僕も、ちょこっと調子に乗っただけで吐きました。
それだけニコチンと言う物は劇物なんだと思います
だから日本ではニコチン単体の販売は誰もが出来る訳では無いのです。ちゃんと法律で決まっているのです
そして濃度が高いニコチンを個人輸入で買うことも禁止されているのです。
それをなんだい?国内のショップで売ってる?お客さんにこっそり薦めてる?
しかもピュアニコチン?
はぁ…。
エロ屋が電子タバコを取り扱ったら「合法ドラッグと間違われてVAPEが白い目で見られるからやめれ」とかクレーム来るのにね。
わざわざメルアドとか調べてブログのURLやツイッターの魚拓まで添付してクレーム来るのにね。
ニコチン中毒者だってーのに、ちょっと配合間違えただけで、ちょっと吸い過ぎただけで吐き気を覚えるモノなんですよ。
ピュアニコとかまんまで吸ったら死ぬよ?ほんとに。
法律があるので正常に流通が出来ない分、末端にまで注意や警告が行き届かないんですよ。
電池云々も危険だけどさ、まだ国内でもきちんと流通する分、売る際にきちんと注意点を伝える機会を設ける事が可能です。
普通に真っ当にやっているショップさんとかはニコチンを取り扱いません。
だからユーザーには危険性を教える機会も余りありません。電池と違って。
殆どのユーザーは自分で調べて気づくしかない。
あるいはツイッターなんかで人に注意されるしか気づくチャンスがありません。
それなのに。
国内ショップの何処かで売られたり、海外メーカーの日本向け日本語サイトで売られてしまっている。そのサイトを注意書きなしで紹介(勿論本題はピュアニコの紹介では無く、ほかの商品の紹介ですけれど)する人も居る。
このまま行けば調べないで買っちゃう人出るでしょ?事故が起きたら買う側、買った側が悪いとか放り出せないでしょ?
んー、ここはどげんかせんと、調子に乗った人が事故を起こして、そんで電子タバコ全体にややこしい事が起こりそうな気がするなぁ。
ね?
エロ屋云々でクレームつけた正義感の人!なんとかしようぜ!
オレもいろいろ考えるからさ!一緒に良くしてこうぜ!
はじめまして。今日も電子タバコです。
あ、いや、どうも、はじめまして。つい先日から電子タバコです。
電子タバコいいですよね。色んな味が楽しめます。臭いのもあります。
発想の数だけ味があります。そんな電子タバコです。
なんとなく、本当になんとなくですが、効かせて欲しい、HOT SPICE。
実際、入れたら辛くて吸えないからっ!!
本当は年代を追って書いていくのが良いのだろうけれども、うーむ。
時の流れってのはちゃんと順を追って流れていくのに、一度でも過去になってしまえば、それはもう自由自在に前後左右入れ替えて蘇らせる事が可能です。
そんな感じで2話目にして即、先日より前の時代のお話。
あれはそうですね、中学生活も半分を超えた頃でしょうか。
当時は洋楽全盛期でして、週末ともなればベストヒットUSA→MTVの流れと言う健全な夜更かしスタイルは、全中学生の義務の様でもあった時代です。
マドンナやマイケルジャクソンを筆頭に、プリンス、ワム、ZZトップ、カーズ、デュランデュラン、フォリナー、ティアーズフォーフィアーズ、シンディローパー、、、エトセトラエトセトラ。
あげて行けば、多分アーティストの名前の羅列だけでブログが終わってしまいます。
まぁ、そんな煌びやかな洋楽の世界に対し邦楽はと言えば、まだまだバンドブームも群馬や広島の片隅でちょろちょろ爆発していた感じでして、メインの世界ではアイドルが跋扈する世界だった記憶があります。
中森明菜、松田聖子、トシちゃん、マッチ、、、、、、一番アブラが乗っていた頃かも知れませんね。
ちなみに僕の最初に買ったレコードはイモ欽トリオのハイスクールララバイであり、2枚目がなめ猫であり、3枚目がThePowerStationのPowerStationです。
まぁいいや。世間は洋楽と歌謡曲にまみれ、ハイブリッドのような石川秀美の「もっと接近しましょ」みたいな曲も溢れていたオオラカな時代。
そんな中、当時のマージャン仲間の一人から聞かせてもらった曲。
冬の寒いある平和な日の昼間、中学生が立川の雀荘でロンだのツモだのチョンボだの責任罰符だの言いながら全自動卓を囲んでいたわけですが、僕の対面に座っていた西家であったであろう、根性だけで一生を生き抜くと宣言ながら「校内マラソンの3km付近で倒れて吐いた」どう見ても根性の無さそうな彼が「お前ちょっとこれを聴いてみ?」と僕にイヤホンの片方を渡してきました。
新宿の某量販店で万引きされたそのAIWAのオートリバースウォークマンの奏でていた曲、それがREBECCAの「HOT SPICE」でした。
あぁ、一発だな。オレ、今一発でやられてるな。
うん。そうなんです。
イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Aメロ→Bメロ→サビ→サビリフレインorアウトロ
そんな歌謡曲の常識を打ち破る曲です。
イントロ→?????→サビ→???????????→サビ
そしてあのNOKKOの声!!!
一瞬です。一瞬で持っていかれました。やられました。
歌謡曲スタイルに慣れきった僕の耳に、彼女の強烈な声色と、そして洋楽ナイズされたと言うか、歌謡曲の様式美には無い楽曲と構成。
後にボブマーレーにやられる心、後にラフィンノーズにやられる心、後にボガンボスにやられる心、後にユニコーンにやられる心、後に岡村靖幸にやられるまーーーーったく節操の無い心は、もうREBECCAの虜になった訳ですね。
そんなインパクトを残した楽曲を思い出してしまうのが、KAMIKAZEリキッドのラインナップ。
あれ?
KAMIKAZEリキッドがインパクトあるよ!!でもインパクトだけで味覚えてないよ!!的な事、ちょっと前に書いたような・・・あ、いやいや、こっちのお話です、はい。
そんなが既視感?は横に放っておきましょう。
まぁでも明らかにHOT SPICEを聴いてなければREBECCAを聴かなかったし、その後のバンド音楽に傾倒して聴いていくスタイルも無かったろうし。
そんな感じで、X8J→アトマだけをNautirusに換えてKAMIKAZEリキッドを吸わなければ、ここまで電子タバコに傾倒する事もなかったろうなぁ、と言うお話です。
まさかねぇ、KAMIKAZEのRブルに打ちのめされた自分が、わずか2ヶ月ちょっとでオーセンティックな木製MODに興味を持ってしまうとか。
うーむ。
月曜日が怖い。
はじめまして。今日から電子タバコです。
あ、いや、どうも。はじめまして。今日から電子タバコです。
電子タバコ。良いですよね。本当に良いです。
美味しいし、タバコよりゃ身体に良いし、部屋臭くならないし、なんとなく青春くさい。
そう!!青春!!
春が青い、いや、春は青いのは当たりまえで、茶色い春とかありえない。
つまり「甲羅が硬い」みたいな言い方なんですね。青春。
甲羅が硬いのは当たり前なのに、何故か「彼のあそこは甲羅のようだった」とは書かずに「彼のあそこは甲羅のように硬かった」と書く訳です。
いやぁ、こんな言い回し、無いですよねぇ。例えがうまく無いですねぇ。
まぁ、結局ですね。
40絡みのおっさんが、若い頃を回顧して無理やり電子タバコなんかと結びつけて適当に色んなことを書いていこうかなぁなんてブログです。
だってほら、リキッドレビューとか、デバイスレビューとかもう先人がやっている訳で、今更そこに突入してもねぇ、めんどくさいと言うかなんと言うか。
僕がそうだなぁ、うん、17歳、いや16歳くらいの頃だったかな?
当時はオオラカ?うーむ、オオラカとは違う、なんちゅーか、いい加減という時代だったですよ。
僕は地元のカラオケパブでバイトをしていた訳です。
今のように「カラオケボックス」なんてまだ無い時代。いや、あったなぁ。ボーリング場に「レーザーカラオケボックス」なる2~3人で汗だくになるくらい狭いボックスが。
だから「カラオケパブ」です。料理とお酒があって、ホステス未満、ホスト未満の若い給仕が居て、ステージがあってそこで皆歌うの。
テーブル毎に番号が振ってあって店のMCが「続いての曲は〇番テーブルのお客様のリクエストで中島みゆきの『悪女』です!」なんつって、拍手が起きて・・・。みたいな。
怪しいでしょ?
うん、とても怪しいんです(笑)
で、怪しい場所には怪しい人間が集まると言うもので、デシャップ?と言うかまぁ、フルーツ盛り合わせとかチーズサラミとかオードブルなんかの、これまた「どこの三流クラブだよ?」くらいの料理とも呼べない物を出しながら、何故か「レモンサワー」とか「グレープサワー」みたいな居酒屋ノリの飲み物を出すカウンターの中に、とても怪しい人が居たんです。
テッペンは薄いのに無理やりドレッド風にしているおじさん。
今考えたら、絶対に仲良くなっちゃいけないおじさん。
で、そのおじさんの隣には、そのちょっと前まで「ウィーラード」と言うバンドの前身でギターを弾いていて難聴になってしまい、その時には何故か環境音楽みたいなものを作曲していた髪の長いお兄さん。
怪しいでしょ?
ますます怪しいんです(笑)
でもさぁ。
こちらは多感な16歳なんですよ。ちょうど伊予がデビューしたくらいのお年頃。
同級生よりちょっと大人になりたいじゃないですか。
学校の友達に「オレ、怪しいんだぜ?」って威張りたい訳なんですよ。
まぁ、学校の友達とか全然もっと怪しいんですけど。
麻布〇番入り口の某バーガーショップにたむろしてたチーマーっぽい人とか、渋谷のラス〇ラに入り浸ってパラパラ踊ってて何故か「Fine」と言う雑誌でパラパラ踊る分解写真を載せられちゃったガラス屋の息子兼、暴走族の生き残りとか、足立区から越境入学してきたのにバイト先で足立区の〇兄弟という危ない人と一緒になって逃げ出す人とか、他にも書けやしない人ばかりの学校だったんで、ちょっとやそっとじゃ威張れない訳でして。
だから怪しいものにドンドン惹かれる訳ですね。これは極々自然な流れです。
でまぁ、そのおじさんと髪の長い人がですね、好きだったんですよレゲエ
当時の僕のレゲエへの印象は「こじ〇」ですね。
なんというかオオラカな時代でして、子供の頃は近所に居るホームレスの人を指して「レゲエだ!レゲエだ!」なんつってた訳で(ごめんなさい)
まぁ、ぶっちゃけ、音楽云々よりもその風貌、スタイルに対して物凄く偏見があった訳です。
とある日。
おじさんの方が競馬で万馬券を当てます。
ウン十万と言うレベルではなく、ウン百万。だったと思います。
そのおじさん、友達が居なかったんでしょうか、16歳の僕と髪の長い難聴のお兄ちゃんを誘って、六本木へと繰り出す事にしたんですね、何故か。
そのときのルートはこうです。
仕事が終わるのが0時。毎週末その後に六本木の「回らない御寿司屋」にて食事→「ホットコロッケ」と言う生バンドが入るレゲエスタイルのライブハウス→「ピジョン」と言う小さな箱の現代風に言うなら「クラブ」→叙々園でカルビ
うん。16歳にしては怪しい行動。
まぁ、いいや。お話の核はそこじゃない、そこじゃない。
僕が言いたいのは「レゲエ」ですね。
僕が電子タバコと出会った衝撃と言うのがまさに、この「レゲエ」と言う未知なる物と出会った衝撃にとても似ていたのです。
寿司屋は放っておきますよー。とても美味しかったし、多分3人で10万に近い会計だったと思いますが、放っておきます。毎週だったけど放っておきます。
で、その怪しいおじさんが実は北海道出身で、つい最近東京に出てきたばかりだったそうで、北海道に居る頃から六本木のライブハウス「ホットコロッケ」に行ってみたかったと言う事で、まずはその「ホットコロッケ」に向かうんです。
確かワンドリンク付いて入場料が「2500円」とか「3500円」とかそんなもん。
もちろん、ドリンクはマイヤーズのゴールドラムです。奢って貰う身、贅沢は言えませんし、甘くて鼻の奥に香りが残るこのラム酒が口に合わなかろうが、本当は飲んではいけない16歳なんですから文句は言えません。
その「ホットコロッケ」は割と、いやいや、日本ではとても有名なレゲエのライブハウス。それなりのレゲエミュージシャンはその舞台に立っているのではなかろうか。
ただし、印象としては余りに小奇麗過ぎる。客層も日本人と外国人が半々で、白人層もそれなりに居た覚えが。
でね。
そのおじさんはコ汚いんですよ。言っちゃなんだけどコ汚い。
だからホットコロッケは導入部なんですね、長い夜の。ちょっとレゲエに身体を慣らすと言うか、準備運動と言うか。
そのおじさんにとっては、ホットコロッケの次の「ピジョン」が本番だった訳でして。
僕にとっても衝撃の出会いは「ピジョン」にあったんですね。うん。
ピジョン────「鳩小屋」と名付けられたそのレゲエクラブは、六本木トンネルのU字の頂点の凡そ真下、旧防衛庁正門の目の前の信号を渡り、ストロベリーなんちゃらと言うフぁミレスもどきを通り過ぎ、米軍施設のある道の途中にありました。
鳩小屋の名前のまま、螺旋階段を上がったビルの5階だか4階にあったそれは、とても狭く、そしてとてもエキサイティングな場所でした。
16歳のケツの青い小僧にとっては、怪しくてカッコイイ場所です。
2重扉になっているのですが、最初のドアを開けると内扉には「当店はディスコではありません、ダンスは禁止します」との張り紙があったのですが、内扉を開けるともう目の前でいやらしいダンスが繰り広げられてます。
今思えば単なる「風営法対策」なんですが、当時は「ルール破る大人!かっこいい」みたいなノリと言うか。
で、入るとすぐ左に1間くらいのバーカウンター。中にバーテンが居て、カウンタの左端には何故か一房のバナナ。これはなんと食べ放題。
ワンドリンク付いて1500円を払い、ここでおマイヤーズのロックを頼み中に入ります。
しかし中ほどまで進めない。溢れるほどの人で中には進めないのです。
そして中に居る人の9割以上が黒人…。
日本人は僕達とバーテンと店長とDJ、どれに常連のような大人の人が2人ほど。
今の僕なら恐れおののくでしょう。
しかし若いと言うのは武器です。恐れ知らずです。
どんどん人を掻き分け中に進み、いつの間にか黒人達の輪の中でバナナを頬張りながら笑っています。
そんな時────クライマックスを演出しようとしたDJがあの曲を掛けたのです。
ボブマーレー、バッファローソルジャー
その瞬間。
ゲロを吐きそうになってた黒人姉ちゃんも、険悪な雰囲気だった片隅の集団も、そしてなんのこっちゃ分からないのに楽しいと感じてた僕も、みんな一緒に踊って歌ったのです。
ワイヤイヤイ! ワヤヤイヤイ! ワイヤイヤイヤワヤヤイヤイ!
あの時の身体の芯に来る響きと快感。未だに覚えております。
そして周りにたたずむ笑顔の怪しい大人たち。人種を超え、性別を超え、年齢を超え、それでもとてもとても怪しい。そんな大人たち。
そんなクソ怪しい大人たちがかっこよくて堪らなかった16歳の夏。背伸びしてた夏。
もうオジサンになってしまったけれど、怪しさに惹かれる感覚は残っていたようです。
電子タバコに出会って、人種、性別、年齢を超えてたたずむ笑顔の大人たちを見ると、何故か怪しげな夏を思い出すのです。要するに。
怪しい大人達がこぞってハマるVAPEってなんかカッコ良くね?
うんまぁ、数年ぶりにボブマーレーを引っ張り出し、耳を傾けながら電子タバコをくゆらすひと時が、最近のお気に入りの時間です。僕はあやしくなんかないよ。